〜遺族感情と表現の自由に配慮したガイドラインの改定を実施〜
一般社団法人セーファーインターネット協会(会長:別所 直哉 以下、SIA)はセーフライン運用ガイドラインを改定し、本日より運用を開始することをお知らせいたします。今回の主な改定内容は、ガイドラインの有害情報に「遺族の感情を著しく傷つける被害者の遺体や殺害行為の画像等」と「望まず閲覧してしまった人に著しく嫌悪感を抱かせる遺体や殺害行為の画像等」を追加するというものです。
昨年から今年にかけて、過激派組織による日本人の拉致・殺害事件は日本中に大きなショックを与えました。その際、遺体や殺害行為を撮影した動画や画像がインターネット上に流出したことで、「遺族感情を著しく傷つける」、「子どもや一般のインターネットユーザーに強いショックを与える」ものだとして、大きな社会問題になりました。その一方、戦争、テロ、事故等の悲惨さを訴える情報など、公共性の高い表現のなかには、遺体や殺害行為に関する情報が含まれることがあります。
こうした現実を踏まえ、SIAでは、外部有識者からなるアドバイザリーボードにおいて、表現の自由に最大限配慮しながらも、遺族やこうした画像等の閲覧を希望しないインターネットユーザーを守るにはどうしたらよいか、今年4月から議論を続けてきました。今回のガイドライン改定は、その議論の結果を反映したものとなっています。
なお、セーフラインでは、遺体や殺害行為にかかる動画や画像のすべてに削除依頼を出すわけではありません。表現の自由を最大限保護し、表現行為への萎縮を最小限に限定するため、問題となる画像や動画の内容、それらが掲載されているウェブサイトの内容、削除を申告される方の立場等を個別の事案ごとに慎重に考慮して対応を進めていきます。
SIAでは、今後も継続的に、セーフライン事業を通して、インターネット上の違法・有害情報の削除に努めながら活動を通じて得たデータと分析をもとに、表現の自由に配意しつつ、中長期的な視座に立った違法・有害情報の排除のための施策を検討・実施してまいります。
「セーフライン(SafeLine)」が対象とする違法有害情報
違法情報 |
・猥褻 ・麻薬、覚醒剤、大麻などの薬物 ・指定薬物や未承認医薬品に該当する薬物 ・振込詐欺 ・不正アクセス ・児童のいじめに関する画像等 ・リベンジポルノに関する画像等 |
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有害情報 |
違法行為を引き起こすおそれがある情報 |
・違法行為を直接的かつ明示的に請負・仲介・誘引等する情報 ・セーフラインが対象とする違法情報のうち、違法情報該当性が ・人を自殺に誘引・勧誘する情報
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極めて重大な問題情報として広く認知されている情報 |
・危険ドラッグ等の販売・譲渡 ・児童を対象としたいじめ行為の勧誘・誘引情 報 ・遺族の感情を著しく傷つける被害者の遺体や殺害行為の画像等★ ・望まず閲覧してしまった人に著しく嫌悪感を抱かせる遺体や
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★:今回追加された対象情報
※各対象情報の詳細につきましてはガイドラインをご覧ください。
- アドバイザリーボードについて
SIAでは、セーフライン運用ガイドラインの改訂についての意見のとりまとめや、日々の運用状況が同ガイドラインに沿ったものとなっているかの検証を担う機関として、外部有識者で構成された「セーフライン アドバイザリーボード」を設置しています。委員の構成につきましてはこちらをご覧ください。
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SIA、有害情報に「遺体・殺害行為に関連する動画・画像」を追加(PDF, 104KB)
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